50代になると、からだの変化にあわせた食事づくりが大切です。
悩ましいのは、毎日の献立を決めることですよね。
外食やインスタント食品はとても便利ですが、からだへの悪影響が気になるのではないでしょうか。
「手づくりがよいのはわかっているけれど…やっぱり面倒」
そんなあなたでも!これからお伝えするポイントで献立づくりはもう悩みませんよ。
健康だけでなく、若さも手に入れたいあなたは必見です。
いますぐ実践して明日への活力につなげましょう!
50代夫婦のおすすめ献立3選
栄養をしっかりとりつつ、かんたんに作れる献立の一例です。
ご家庭のお好みに応じてアレンジしてみましょう。
- とりむね肉のピカタ(副菜:ブロッコリーのごまだれ添え、豆腐とモズクと舞茸のみそ汁)
- ツナとナッツの野菜サラダ(副菜:ベリーのヨーグルト)
- さけの塩こうじ焼き(副菜:豆もやしのあえ物、ニラ玉汁)
とりむね肉のピカタ
ゆかりの風味をアクセントにして和風にしました。お好みでチーズやハーブ、青のり風味でも。

【材料(2人分)】
- とりむね肉(約200g)
- 塩こうじ(約大さじ1~2)
- 卵(2個)
- ゆかり(小さじ1)
- 薄力粉または米粉(適量)
- 油(適量)
- とりむね肉はそぎ切りにして塩こうじをもみこみ、30分以上おいて味をなじませます。
- 余分な塩こうじや水気をふき取り、薄力粉または米粉をまぶします。(ポリ袋を使うと便利です)
- ボウルに卵を割り入れ、ゆかりも加えてときほぐしてお肉をくぐらせます。
油を敷いたフライパンにお肉を敷きつめ、残った卵液もすべてそそぎ入れます。 - 塩こうじの成分が焦げやすいので、弱めの火で中に火が通るよう両面焼いてできあがりです。
ブロッコリーのごまだれ添え
加熱したブロッコリーに、かんたんでシンプルなたれを添えて。
【ごまだれの材料】
- ねりごま(白ごま、黒ごま、どちらでも可)お好みの分量
- お好みのポン酢しょうゆ(適量)
- はちみつ(適量 ※その他、液体の甘味料がまぜやすいです)
- 酢(少々 ※たれのかたさを調節するため)
たれは、材料をお好みで加減しながらまぜるだけです!
さわやかな甘さとねりごまのコクで、箸休めにぴったりですよ。
豆腐とモズクと舞茸のみそ汁
モズクは和え物だけでなく、あたたかい汁物とも相性がよく、食物繊維が豊富です。
舞茸は香りと食感がよく、いろいろ活用できるので、ほぐして冷凍保存しておくと便利ですよ。
ツナとナッツの野菜サラダ
野菜サラダに、ノンオイルのツナと素焼きのナッツをのせれば、栄養価が高まります。
豆類やゆで卵、アボカドをそえてもいいですね。
お好みのお酢に、塩こうじや亜麻仁油を加えれば、体にやさしいドレッシングの完成です。

ベリーのヨーグルト
ヨーグルトには、目の健康にもよいベリーをトッピングしました。
ブルーベリーやミックスベリーは冷凍で一年中手軽に購入できて便利ですよ。
サケの塩こうじ焼き
お魚の切り身が安い時には、冷凍用の保存袋に塩こうじをなじませて冷凍しておくと便利です。
塩こうじの成分で、ふっくらしっとり焼きあがりますし、ブリやサワラも同様に、おいしくできますよ。

【材料(2人分)】
- サケの切り身(2切れ)
- 塩こうじ(切り身の重さの10%量 ※ほかのお魚でも同様です)
- ポリ袋にすべての材料を入れ、30分以上おいて味をなじませます。
- 塩こうじが焦げやすいので、サケの表面をふき取ります。
- 弱めの火で、様子をみながら両面を焼いてできあがりです。
豆もやしのあえ物
ごま油の香りで中華風に。豆もやしは安価で栄養が豊富なので活用しましょう。
【材料(つくりやすい分量)】
- 豆もやし(1袋)
- 塩(小さじ1)※ゆで汁に使用します
- きゅうり(1本)
- 調味液(酢・しょうゆ・ごま油、お好みで甘みや練り辛子などを加えても)
- 豆もやしは、塩を加えた湯でふたをして3分ゆでて冷まします。
- そのあいだに、きゅうりは細切りにし、調味液の材料をお好みの量でまぜあわせておきます。
- 食べる直前に、豆もやしときゅうり、調味液をあえたら完成です。
ニラ玉汁
ニラ玉汁は、いつものお味噌汁に、とき卵ときざんだニラをまぜ入れ加熱するだけで完成です。
ふわふわの卵とニラのさわやかな香りが食欲をそそりますし、栄養満点なお味噌汁になります。
50代夫婦が献立に悩まないルーティン化のポイント
献立を考えることが負担にならないポイントです。
気軽にできることばかりですよ。日々の悩みから解放されましょう。
- 方法① 旬のお買い得食材をメインにする
- 方法② メイン食材はゆるくルーティン化
- 方法③ バランスの良い一汁一菜で気楽に
方法① 旬のお買い得食材をメインにする
食事の栄養バランス(農林水産省「食事バランスガイド」より)は、「赤・緑・黄」の3色があると理想的です。
全国健康保険協会ー資料『栄養3・3運動を意識して健康的な食生活を!』
- 栄養3・3運動
厚生労働省が健やかな毎日のための食生活のあり方を簡単に示したもので
「3・3」とは3食・3色を意味しています。 3食は【朝食・昼食・夕食】の1日3食を食べること、
3色は【3色の食品群】の 食品をそろえて食べることを勧めています。
このように考えると、お買い物もはかどりますね。
特に旬の食材は、新鮮で安く手に入り、栄養もあります。
水産物やお野菜、果物の旬は、東京都中央卸売市場「旬の食材」で紹介されています。
天候不順で出回らない時期は、冷凍食品も役立ちますよ。
日本冷凍食品協会では「冷凍食品の魅力」を紹介しています。
方法② メイン食材はゆるくルーティン化
お買い得な食材は、一週間分をめやすに買いおきすれば、あとはメインを肉・魚・その他というかんじで日替わりにできます。
たとえば、
- 月曜日 とり肉
- 火曜日 お刺身
- 水曜日 卵と豆腐
- 木曜日 豚肉
- 金曜日 切り身魚
- 土曜日 牛肉
- 日曜日 なべもの(魚介類)
のように、ゆるくメイン素材だけイメージしておけば、
きっちりとメニューを決めなくても、冷蔵庫や調味料のストックを見て組みあわせればOKです。
方法③ バランスの良い一汁一菜で気楽に
料理研究家の土井善晴さんはこのように提案しています。(土井善晴 著 一汁一菜でよいという提案 より引用)
伝統的な発酵食品であるお味噌と、たんぱく質や脂質、多めの食物繊維を組みあわせれば、具だくさん味噌汁のできあがりです。
土井先生は具材の一例としてこのようにご紹介していますよ。
お疲れの日は、栄養バランスさえとれていれば、何品も無理をしてつくる必要はなく、洗い物もラクになりますね。
50代夫婦の栄養を意識した献立に大事な3つのポイント
- たんぱく質と食物繊維たっぷりで栄養満点に
- 老化を防ぐ「オメガ3脂肪酸」や「抗酸化物質」を意識してとる
- 50代以降にへらすべき「塩分」「糖分」「脂肪」
1.たんぱく質と食物繊維たっぷりで栄養満点に
年齢をかさねると代謝やホルモンバランスが落ちてきて、若いころよりも疲れやすくなっていませんか?
これから先の元気をキープしていくためには、肉や魚、卵などのたんぱく質で低栄養を防いで筋力をつけましょう。
野菜やきのこ、海藻、豆類などの食物繊維も合わせれば、50代以降でも消化の負担をへらしつつ、たんぱく質やカルシウムの吸収が良くなり、骨粗鬆症の予防にもつながります。
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネットより)
2.老化を防ぐ「オメガ3脂肪酸」や「抗酸化物質」を意識してとる
いつまでも記憶力や認知機能をまもりたいですよね。
さらに、身近な食材で若返られるなら一石二鳥です!
その救世主として「オメガ3脂肪酸」と「抗酸化物質」が注目されています。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸(サントリーウェルネスOnlineより)にはおもに、「血液をサラサラにする」「関節の痛みをやわらげる」
「記憶力や認知機能をまもる」など、若返りに役立つ成分です。
- 脂肪の多い魚(サバ、サンマ、イワシなどの青魚類やマグロ、カツオ、サケ、ブリなど)
- 甲殻類や貝類(カニ、ムール貝、カキなど)
- ナッツ類(クルミ、アーモンドなど)
などに多く含まれます。サバの缶詰も長期保存できて便利ですね。
抗酸化物質
抗酸化物質(厚生労働省 eJIMより)は、活性酸素の発生や働きをおさえたり、取りのぞきます。
活性酸素は、大量にできると動脈硬化、がん、老化、免疫機能の低下などをひきおこしてしまいます。
- 緑黄色野菜(ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリーなど)
- 果物(ぶどう、ベリー類、かんきつ類など)
- お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶など)、ココア
- 大豆・黒豆・ごま・そば・甲殻類やサケなどの赤い魚類など
などの食材が代表的です。
脳のはたらきと、細胞を元気に保つために必要な栄養素はからだの内側だけでなく、見た目の年齢も若返らせます!
サラダやおやつにも取り入れやすい食材なので、ぜひ毎日の食卓に添えましょう。
3.50代以降にへらすべき「塩分」「糖分」「脂肪」
50代以降は、成人病にも気をつけたい年代です。
日本人はとくに塩分を多くとりがちで、その一因にもなっています。
成人病とは、おもに脳血管疾患、がん、心疾患などの加齢にともなってかかりやすくなる疾患群として定着しました。
これらの疾患を防ぐには、日ごろの心がけが大切です。
「塩分」をへらして高血圧予防
高血圧は、食塩のとりすぎが最大の原因です。高血圧がすすむと動脈硬化になり、
心臓や脳で血管がいたんで疾患をひきおこしたり、認知症になりやすくなります。
- 漬物や塩干物、加工食品など塩分の濃いものは最小限に
- 薄味を心がける(お酢や、だしの風味を活用)
- 香辛料や香味野菜、果物の酸味をアクセントに使う
厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」にて、さらにコツが詳しく紹介されています。
ちなみに、食塩の代用としては塩こうじがおすすめ(母子栄養協会より)です!
食塩と比較して1/3ほどに減塩できるのです。
こうじのうまみ成分はさまざまな相乗効果もありますし、かんたんに手づくりもできますよ。
自家製塩こうじのつくり方と保存方法(ニチレイフーズ公式サイト「ほほえみごはん」より)
「糖分」をへらして糖尿病予防
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなりすぎる病気です。
進行すると動脈硬化がすすみ、脳卒中などにかかりやすくなります。
また、合併症をおこすと、失明や透析につながる場合もあるのです。
糖尿病予防として食事で気をつけたいのは、摂取エネルギー量をとりすぎないことです。
- 調味料は糖質低めのものを選ぶ(天然由来の甘味料など)
- 主食のパン、ごはん、めん類ばかりを食べすぎない
- 甘いもののエネルギー(厚生労働省 e-ヘルスネットより)を知り、バランスよく
おやつの甘いものは心を豊かにしますよね。
ただ、食べすぎると本来の必要な栄養が吸収できなくなるので、選びかたと食べる量にきをつけてとりましょう。
「脂肪」をへらして肥満予防
さきほどの糖分とあわせてへらしたいのが脂肪です。
こちらもとりすぎるとメタボリックシンドロームを経て成人病へ。
厚生労働省 e-ヘルスネットにて詳しく解説されています。
- メタボリックシンドロームについて
- 脂質の種類と「脂質異常症」について
- 動物性脂肪をとりすぎない(バター、ラード、乳脂肪など)
- 焼く、蒸す、ゆでるの調理法などで脂質をへらす
- 揚げ物は、うす衣にしたり、油分をしっかりきる工夫をする
塩分・糖分・脂肪は、たっぷりの野菜や大豆製品、海藻、きのこなどと組みあわせれば栄養バランスが整い、からだへの負担をへらすことができます。
ここまで、献立づくりでおさえたい栄養のポイントをお伝えしました。
それでも、外食やインスタント食品、加工食品に頼りたくなる日もありますよね。
これらに共通していえるのは、
- 野菜の摂取量が少ない
- 高塩分、高糖質、高脂肪のものが多い
- 人工的な添加物、保存料、着色料、調味料が多くふくまれている
このことから、発がん性やアレルギー、腸内環境や内臓への負担など、さまざまなリスクをひきおこす可能性を高めてしまいます。
すると、さきほどご紹介した成人病や肥満の原因となりうるのです。
ふだんはできる範囲で自炊を心がけ、たまに時短として利用する程度がよいですね。
栄養バランスを意識した食事が、とくに私たちの年代では大事なのです。
よくある質問
まとめ
50代以降はこころもからだも無理をしないことが大切です。
体力を維持するためには、必要な栄養素を積極的に補いましょう。
日々の献立は、栄養バランスの良い食材をゆるいサイクルでまわしつつ、便利な調理道具も併用すれば、ストレスなく継続できそうですよね。
ときには負担にならないように、時短につながるサービスを活用してもいいのです。

心もからだも、いつまでも若々しくいたいから…
まずはご自身をねぎらいながら、ぜひ気楽に献立づくりをおためしくださいね。